オートファジーダイエットは、最近注目を集めているダイエット方法の一つです。自然治癒力を高める効果があるとされ、健康にも良いとされる一方で、痩せる効果については、人によっては実感できない場合もあるでしょう。
これは、オートファジーダイエットが「カロリー制限」だけではなく、身体の中で代謝や自浄作用を高める働きをすることが原因とされます。ただ、その効果を発揮するためには、正しいやり方が必要です。
本記事では、オートファジーダイエットの基礎知識やメカニズム、痩せない原因とその対策について詳しく解説し、効果的なダイエット方法をご紹介します。
オートファジーダイエットに興味がある方は、是非参考にしてみてください。
オートファジーとは?
オートファジーとは、私たちの体を作っている細胞内にあるたんぱく質が古くなったり、傷ついたりすると、細胞自身が自分を分解して新しいたんぱく質に生まれ変わらせる仕組みのことです。細胞自らが分解することから「オート(自己)ファジー(食べること)」と呼ばれています。
オートファジーは、特に体が飢餓の状態になると、活発に働くことから、オートファジーを利用した健康療法やダイエット方法が人気を集めるようになっているのです。
オートファジーダイエットのメカニズムと痩せる仕組み
オートファジーダイエットの痩せる仕組みは、身体の内部で細胞の老廃物やダメージを自浄する「オートファジー」というメカニズムを活性化することで、代謝を高めるという点にあります。通常、食事をとると、身体の中で消化吸収が進み、栄養素が細胞に取り込まれます。しかし、その過程で老廃物やダメージを受けた細胞も多く発生します。このような細胞が増えると、身体全体の代謝が低下し、痩せにくくなるとされます。
オートファジーダイエットでは、断食や低カロリーの食事制限などで身体をストレス状態にし、オートファジーを活性化させることで、老廃物やダメージを受けた細胞を自浄し、代謝を高める効果を狙います。また、オートファジーが活性化することで、脂肪細胞からの脂肪酸の放出を促進するとされ、これによって脂肪燃焼を促すとも言われています。
ただし、オートファジーダイエットは、無理な食事制限や長時間の断食など、健康に悪影響を与えることもあるため、適切な方法で行うことが重要です。適度な食事制限や、時間限定の断食など、個人の体質や生活環境に合わせた方法を選び、健康的に痩せるように心がけましょう。
オートファジーの効果
空腹の状態を継続して、オートファジーを活発化させるとその作用により、様々な効果が期待できます。
1.若々しい身体になれる
体内の細胞が生まれ変わることで、肌・筋肉などの老化が抑制され、結果的に若々しい体になれる。
2.生活習慣病や感染症・アルツハイマー症などの予防
古くなった細胞や傷ついた細胞が生まれ変わることで期待できる。
3.ダイエット効果
空腹の状態が続くことで、体内の脂肪がエネルギーに分解される。
4.胃腸機能の回復・改善
空腹が長く続くことで、胃や腸を休ませることができる。
オートファジーダイエットの基本的なやり方
オートファジーの働きをダイエットに利用したのが、オートファジーダイエットです。若々しく健康的に痩せることができると一躍注目されました。
オートファジーダイエットを実践するには、まずは食事制限をする必要があります。ただし、完全な断食ではなく、時間限定の食事制限を行うことが多いです。例えば、1日のうち16時間は食事をしない「16:8ファスティング」や、1週間に1日だけ食事制限を行う「5:2ダイエット」などが一般的です。
また、食事制限と合わせて、適度な運動を取り入れることも大切です。オートファジーは運動によっても活性化されるため、有酸素運動や筋トレなどを行うことが効果的です。
さらに、食事の質にも注意が必要です。オートファジーダイエットでは、低糖質・高タンパク質の食事が推奨されています。糖質を摂り過ぎると、血糖値の上昇が抑制され、オートファジーが抑制されるため、糖質制限が必要です。また、タンパク質は細胞の修復や筋肉の合成に必要な栄養素であり、適切な量を摂ることが大切です。
ただし、無理な食事制限や過度な運動は身体に悪影響を与えることがあるため、自分に合った方法を選び、健康に痩せるように心がけましょう。また、必要に応じて医師や栄養士に相談することも重要です。
オートファジーダイエットで痩せない理由
オートファジーダイエットを実践している方の中には、実は正しいやり方ができずに「痩せない」という方も多いのです。あなたはどうですか?チェックしてみてください。
食べない時間が短い
断食をする時間が、16時間よりも短いと、オートファジーが活発化せずに、その効果が生かされません。食べない時間は、最低16時間は必要です。
食べても良い時間に食べ過ぎ
食べても良い時間に、食べ過ぎてしまうと、摂取カロリーが多くなります。いくらオートファジー作用が働いても食べる量が多いと逆に太ってしまう可能性があります。
高カロリーの食べ物・飲み物が多い
カロリーや糖分の高い食べ物や飲み物を、摂りすぎていませんか?断食することが若干のストレスになり、その反動で食べても良い時間に不摂生が続くと、「痩せない」のです。
運動不足
オートファジーダイエットをすると、脂肪が分解されるとともに、筋肉も分解されてしまいます。すると筋肉量が減り、基礎代謝量が下がってしまうのです。代謝量とが下がると、痩せにくい体になりますので、その結果いくら頑張っても「痩せない」という結果になります。
睡眠不足
睡眠不足は、健康にもダイエットにも悪影響を与えます。睡眠不足は、オートファジーを活性化するホルモンの分泌を低下させるため、ダイエット効果が低下することがあります。
規則正しい生活と睡眠は、ダイエットの基本なのです。
以上のうち、一つでも心当たりがあったなら、もう一度基本に戻って、正しいオートファジーダイエットの方法を確認してみましょう。
オートファジーで痩せない時の対策
オートファジーダイエットで確実に「痩せる」ためには、基本の方法に加えて、注意すべきことがあります。
適切な食事を心がける
まずは適切な食事を摂ることが大切です。低糖質・高タンパク質の食事を心がけることで、オートファジーを十分に活性化させることができます。
ダイエットを始めたばかりの頃は、16時間の「食べない」ことにどうしても我慢できなくなる場合があります。そんなときは、無理をせずに食べましょう。我慢しすぎるとそれがストレスになり、余計に痩せにくくなってしまいますからね。
ただし食べても良いのは、塩分を含まないナッツやヨーグルト(プレーンタイプ)、少量の生野菜や果物です。飲み物もカロリーオフなら問題ありません。
適度な筋トレを行う
大袈裟な筋トレではなく、例えば消費カロリーの多いスクワットや腹筋をするだけでも結構です。ダイエット前の筋肉量を落とさないように気をつけましょう。
それでも痩せない時は?
正しいオートファジーダイエットの方法で、実践していても、やっぱり「痩せない」時は、視点を少し変えてみましょう。
オートファジーダイエットは、急激に痩せるダイエットではありません。少しずつ脂肪が分解され、摂取カロリーが減ることで、だんだんと体重が落ちてゆく緩やかなダイエット方法です。
効果を実感するまでには時間がかかります。焦らず続けましょう。
まとめ
オートファジーダイエットは、食事制限よりも健康的に痩せることができるとして注目されています。しかしながら、適切な方法で実践しなければ、効果が得られないことがあります。
痩せない原因として、食事の質が悪かったり、運動不足だったり、ストレスや睡眠不足などがあげられます。これらの原因を避けることができるよう、正しい食事や運動、睡眠などの生活習慣を心がけることが重要です。
また、オートファジーダイエットを実践する上で、自己流で行うことは避け、専門家の指導を受けることも大切です。オートファジーダイエットは、健康的な痩せ方を実現するための有効な方法です。適切な方法で実践し、健康的な体型を手に入れましょう。