御見舞いの表書きを書くときに、薄墨にするべきか濃墨にするべきか迷っていませんか?
「薄済は失礼になるのでは?」と、心配している方もいるかもしれませんね。
御見舞いを渡すのであれば、マナーはしっかり抑えておくことが大切です。
この記事では、御見舞いの表書きの書き方ともに、お金の包み方や、渡すときに気を付けたいことについてご紹介します。
御見舞いをわたすときの、正しいマナーが身につきますよ。
御見舞いの表書きに薄墨は失礼?
御見舞い金の表書きには、薄墨と濃墨、どちらを使用すべきかご存じでしょうか?
実は病気や事故の御見舞いでの薄墨は失礼です。
表書きの墨の使い分けは、御見舞いの用途によって違います。
早速説明していきましょう。
薄墨を使うのはこんなとき
御見舞いの表書きに薄墨をつかうのは、「通夜見舞い」の場合です。
薄墨は、お通夜や告別式等、誰かが亡くなって行われる葬儀に包む、不祝儀の時のみ使用されます。
生前、故人の入院見舞いができなかったときの代わりとして、お通夜の前に親族へ御見舞いをお渡しすることを通夜見舞いといいます。
香典とは別に用意するものですので注意しましょう。
通夜見舞いは、一部の地域の慣習で、あまり知られていません。
香典に薄墨を使うのは四十九日までで、それからは濃墨が一般的です。
薄墨は日程が急に決まった葬儀の際に使われるので、事前に予定が決まっているものには使用しません。
濃墨を使うのはこんなとき
濃墨を使用する御見舞いは下記の場合です。
- 火事見舞い
- 入院見舞い
- 病気見舞い
- 寒中見舞い
人が亡くなる不幸でなければ、濃墨の使用で問題ありません。
薄墨を使う理由
昔はどのような書面でも、心を込めて濃い墨をすって文字を書くことがマナーとされていました。
不幸の際に薄墨を使う理由としては、予想しなかった出来事で、墨を丁寧にする時間もないまま、薄い墨で書いて急いで駆けつけましたということをあらわしているのです。
また、悲しみの涙でにじんでいるという意味もあります。
御見舞いを用意するときに気をつけること
次は、用意する時に気を付けたいポイントについてご紹介します。
1:水引は結び切りを使う
御見舞い金ののし袋は、縁起物である左上の熨斗のマークがないものにします。
水引は紅白で、今後は繰り返すことのないように、ほどけない結びきりを選びましょう。
お祝いではないので、派手なデザインは避けましょう。
ちなみに紅白水引のちょうちょ結びは、ほどけやすく何度でも結べるという意味から、何度おきてもよいお祝いに使われます。
間違っても黒白の不祝儀袋は使わないようにしましょう。
大変失礼になってしまいます。
2:のし袋に入っている厚紙は外す
のし袋を購入すると、厚紙が入っていることがありますが、これは、そのままにするのか、抜くのかどちらが正しいのでしょうか?
実はこの厚紙、のし袋の配送や陳列する際の型崩れを防止するために入っているのです。
厚紙を入れたままお渡しせず、きちんと抜いてお渡ししましょう。
3:ノリ付けは不要
お金を入れる中袋は、封筒型になっているため、入れたお金の紛失や盗難を考えてノリ付けする人もいますが、中袋のノリ付けは不要です。
中袋が封筒型になる前は、もともと高級な和紙を使用した奉書紙でお金を包んでおり、ノリ付けの習慣はありませんでした。
ですからノリ付けせずに、線に沿って折り曲げておくだけで十分です。
4:毛筆やフェルトペンで書く
のし袋へ表書きする際は、ボールペンや万年筆で書いてはいけません。
毛筆を使って楷書で丁寧に書きましょう。
持っていない場合や、書きにくい場合は、筆ペンや太目のフェルトペンでも問題ありません。
御見舞いの場合、「御見舞い」と四字にはせず、「御見舞」または 「お見舞」と書きます。
四文字は死を連想させるので縁起が良くないためです。
5:金額は旧字を使用
中袋の表書きには、中央に封入する金額を書きます。
このとき、旧字の漢数字を使用してください。
金額 | 数字の書き方 |
10,000円 | 金壱萬圓(円でも可) |
30,000円 | 金参萬圓 |
金の文字を付ける理由は、金額を付け足したりされないためです。
金額の後に「也」はつけなくてかまいません。
裏面の左下には、送り主の住所と氏名を書きます。
これは、相手がお返しを贈るためです。
6:お札を入れる向きをそろえる
お札は人物が描かれている方が表で、描かれてない方が裏です。
向きは人物の方が上、金額は下になります。
お札を入れる際、中袋の金額を書く側に人物があるように、上向きに入れれば良いです。
すべてのお札の向きは揃えましょう。
7:新札を使う?旧札を使う?
御見舞いでは、新札ではなく旧札を使います。
新札は普段用意していないので、御見舞いに新札を入れると、悪いことが起こるのを予期して、わざわざ用意していたという意味になってしまいます。
まとめ:御見舞いには濃墨でも失礼にならない!
通夜見舞い以外の御見舞いは、人が亡くなる不幸ではないので、薄墨は使いません。
全快を祈って紅白の祝儀袋を使いますが、何度も起きてはいけないので、水引は結びきりを選びましょう。
弔事と同じで、新札はマナー違反です。
せっかくの気持ちが失礼に当たらないように、ポイントを押さえた気遣いができるといいですね。
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